はじめに:ChatGPTプロンプトで得られる3つの価値
こんにちは。最近はプロンプトエンジニアリングという言葉も一時期よりは聞かなくなりましたね。一昔前に流行した「魔法のプロンプト(例:step by stepで〜)」よりも、実務で成果が出るAIプロンプトが求められています正直僕は当時からあんまり意味ないだろうなぁ思っていたので良い流れだと感じています。
とはいえ、GPT-3の時代からAIを使い続けてきた僕が厳選した「これは効果がある」と自信を持って言えるプロンプト4選を紹介したいと思います。ChatGPTを賢い部下として使えば、
- 作業効率UP
- 品質向上
- ナレッジ共有
の3軸でメリットがあります。
今回のプロンプトはハック的な言い回しではなく、ほとんど「人に何かをお願いするときに気を付けるべきこと」をAIに対しても意識することをベースとしています。結局その方が良いんだろうなという感覚ですね。
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効果を実感したAIプロンプト4選
手順整理プロンプト
プロンプト:「◯◯ということがしたいです。まずは何から始めればいいか手順を整理してください。」
入力例 | 「社内にAI研修プログラムを導入したいです。まず何から始めればいいか手順を整理してください。」 |
出力例(要約) | 1) 現状スキル調査 → 2) 目標設定 → 3) 研修コンテンツ選定 → 4) パイロット実施 → 5) 全社展開 |
活用Tip | 要件定義の抜け漏れチェックと作業順序、工数の最適化に◎ |
体感効果 | 要件整理にかかる時間が80%程度短縮 |
これは全ての依頼において使えるプロンプトかなと思っています。コードを書くとき、記事を書くとき、なんでも最初にこれを伝えるようにしています。
自分で大体のイメージはついていても意外と抜け漏れがあったりするので、AIにそこを埋めてもらう形です。逆に全く知らない分野の作業でも0から考えるより圧倒的に精度が高まります。
非常におすすめのプロンプトなのでぜひ使ってみてください。
最新ベストプラクティスを引き出すプロンプト
プロンプト:「◯◯(言語、技術名)において推奨されている書き方でお願いします。」
入力例 | 「WordPressで推奨されている書き方で記事一覧を実装してください。」 |
出力例(抜粋) | WP_Queryを使ったループ処理のコード ※明示しないと今では非推奨のquery_postsを使ったコードを出力することがある |
活用Tip | 古い情報を参照しがちなAIの弱点を補完。非推奨APIを回避して最新ベストプラクティスを参照してもらえるように。 |
体感効果 | コードレビュー時の指摘数を50%程度削減 |
コーディングにおいて最近よく使うプロンプトです。AIの性質的に、
- 最大公約数的な回答をしがち
- 情報が少ない技術だと品質が落ちやすい
という点を補完することができます。特にWeb制作の領域ではWordPress開発の時に最も効果を感じます。他の言語、技術に比べて高品質な情報源がやや少ないので普通に依頼すると古い書き方になりやすいです。
このプロンプトを使って最新の情報を参照するようにするとかなりいい感じになります。
内容要約プロンプト
プロンプト:「ここまでの内容を整理してまとめてください。」
項目 | 内容 |
入力例 | 「ここまでの内容を整理してまとめてください。」 |
出力例(要約) | レポート形式で内容をまとめてもらえる |
活用Tip | 会話の流れを無視される場合があるので、共通認識を固定する。長時間のCursor Agentモードで特に有効。 |
体感効果 | 仕様の把握ミスによる出力間違いをほぼ0に |
これは会話が長くなった時によく使います。CursorのAgentモードを使っているときによく起こるのですが、それまでの会話の流れを無視して作業を進めてしまうことがあります。
例えば記事執筆の際、
- テーマを6個リストアップする
- テーマごとに記事の骨子を作り一旦ファイル化させる
ということをした時、個数だけあっていて内容が全然違うファイルが生成されることがあります。
このプロンプトで発散した会話を一旦整理することで作業内容を間違いにくくなります。
形式指定プロンプト
プロンプト:「◯◯形式で出力してください。」
入力例 | 「この記事のアウトラインをMarkdown形式で出力してください。」 |
出力例(抜粋) | ## 見出し1 – 要点1 – 要点2 – 要点3 |
活用Tip | 結論→例示→解説 の構成指定や、CSV/JSON出力で後工程を自動化。 |
体感効果 | ドキュメント整形工数を60%程度削減 |
コーディング、記事執筆の時によく使います。特に記事系は何も指定しないとただのテキストで出力されますが、マークダウン形式の方が僕は扱いやすいと感じるのでよく指定します。
ファイル形式以外にも、
- 「記事の内容は結論→例示→解説の順で構成してください」
- 「まずメインとなる関数内で手順のみを示す形でユーティリティ関数を呼び出してください」
というように構成を指定するのも効果的です。
失敗しない使い方と注意点
- 上位モデルを選択する:プロンプトをいくらいじってもモデル性能の限界は超えることができません。出力が不満な場合はGPT-4oやo3など上位モデルを選択してください。
- 追いプロンプトより再生成:出力がズレた場合、会話を続けて修正しようとするよりも編集ボタン(ChatGPTだと✏️マーク)を押して指示を書き直した方が良いです。
- 機密情報の扱い:基本的な話ですがチャット履歴は学習に利用される可能性があります。個人情報や社外秘データは伏字やダミー値で置き換えておいてください。
- 長文分割:チャットが長すぎる時も文脈が無視される場合があるようです。長い文章は分けて投げるようにしましょう。
よくある質問
- QAIプロンプトは無料プランでも同じ効果がありますか?
- A
無料プランでももちろん利用可能で一定の効果を見込めます。ただしモデル性能・トークン制限の差で出力品質が下がる場合はあるので注意してください。
- Q英語で入力したほうが精度は上がりますか?
- A
一般的に英語のほうが学習データが豊富なため若干有利と言われていますが、日本語でも上記プロンプトは十分高精度に機能します。
まとめ:依頼内容は外側から固めよう
個人的に効果を実感したAIプロンプト4選の紹介でした。いずれのプロンプトも概要や抽象的な部分を先に固めてから詳細に移るイメージで依頼をしています。人間と同じですよね。それだけAIが人間に近づいているのかもしれません。
ぜひ参考にしてみてください。
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