こんにちは。今回は覚えるだけで効率化できて、しかもAIをよりハイパフォーマンスに使えるようになるマークダウン(Markdown)記法について解説していこうと思います。
本当にこれを知ってるか知らないかだけでテキストやドキュメントに関する仕事の効率、品質が全く違うのでぜひ覚えてみてくださいね。
マークダウンとは
マークダウン記法とは、特定の記号を使ってテキストの構造を表すものです。いわゆるマークアップ言語の1種ですね。これを使うことで文章の構造が見た目で分かり理解しやすくなります。
例えば次のような書き方です。
# 見出しレベル1
## 見出しレベル2
ダミーテキストダミーテキストダミーテキストダミーテキスト
- 箇条書き1
- 箇条書き2
- 箇条書き3
WordやGoogle Docsで文章を見やすくするために文字サイズを変えたり色付けをしたりすることを記号でやっていると思ってください。
元々は簡単なテキストからHTMLを生成するための言語だったようで、確かにHTMLタグに対応したものばかりですね。
例)
## 見出し → <h2>見出し</h2> に相当
- 箇条書き1 → <ul><li>箇条書き1</li></ul> に相当
<user@example.com> → <a href="mailto:user@example.com">user@example.com</a> に相当
HTMLへ変換する前提で機能する記法もいくつかあります。
特別なツールを使わずただのプレーンテキストで構造を表せる手軽さから広く用いられています。特にエンジニアが書き残すドキュメントはこのマークダウンで書かれているケースが多いように思いますね。
一方さまざまなエディタ、ブログ系サービスではこの記法に対応し、色付けや高度なビジュアライズをしてくれるものが増えてきました。見出しのフォントを大きくしてくれたり、リンクを実際にaタグとして機能するようにしてくれます。
今となってはほとんど対応していると思います(以下サービス例)。
- Google Docs
- notion
- VSCode(デフォルトで色付け、拡張機能でビジュアライズ可)
- Cursor(デフォルトで色付け、拡張機能でビジュアライズ可)
- WordPress
このような主要ツールは全て対応していますね。Slackのようなツールも一部対応している部分があります(引用の記法など)。
マークダウンを覚えておくと例えば「わざわざメニューから見出しブロックや見出しモードを選んで書く」ということをせず「#を2回入れてスペースキーを押す」だけで自動で見出しの見た目になってくれます。
ちなみにMarkdown形式のテキストファイルの拡張子は.mdです。
記法一覧(チートシート)
数が多いので使用頻度が高い順に並べておきます。
使用頻度★★★
見出し
# 見出し1
## 見出し2
### 見出し3
#### 見出し4
##### 見出し5
###### 見出し6
ほとんど使われるのは上の記法(ATX記法)ですが、一応別の書き方(Setext記法)も紹介します。ただしこちらは見出しレベルが2までしかなく正直実用性は低いですね。
見出し1
=======
見出し2
-------
段落
段落は特に記号はなく、ただのテキスト部分ですね。
これは段落です。
これは空行で区切られた別の段落です。
順序なしリスト
- 項目
- 項目
- ネスト
- さらにネスト
もしくは
* 項目
* 項目
* ネスト
順序付きリスト
1. 項目
2. 項目
1. ネスト
2. ネスト
3. 開始番号は任意に指定可能
引用
> 引用
>
> 複数段落の引用
入れ子の場合は以下。
> 第一階層
>> 第二階層
>>> 第三階層
使用頻度★★
斜体
*斜体* または _斜体_
太字
**太字** または __太字__(アンダースコア2つで挟む)
斜体 + 太字
***強調*** または ___強調___(アンダースコア3つで挟む)
リンク
[リンクテキスト](https://example.com)
あまり出番はなさそうですが、aタグで言うところのtitle属性の内容を指定することもできます。
[タイトル付き](https://example.com "title")
自動リンク
URL文字列をそのままリンクにする場合は簡単に書けます。
<https://example.com>
これは、

Example Domain(https://example.com)
と同等
画像


インラインコード
これは`code`です。
コードブロック
```lang
複数行のコード
複数行のコード
```
もしくは
~~~lang
複数行のコード
複数行のコード
~~~
使用頻度★
自動メール
<user@example.com>
HTMLタグに変換されると、
<a href="mailto:user@example.com">user@example.com</a>
となりクリックでメーラーが起動します。
参照機能
繰り返して使いたいリンクや画像がある場合、それを変数のようなものに格納して使い回すことができます。
定義側:
[ref]: https://example.com "title"
[imgref]: https://example.com/image.png "title"
本文側:
[リンクテキスト][ref]
[同じ参照を別名で][ref]
![代替テキスト][imgref]
URLとリンクテキストの組み合わせが決まりきっているなら、「collapsed reference」という省略した書き方も可能です。
定義側:
[公式サイト]:https://example.com "title"
本文側:
[公式サイト]
エスケープ
マークダウン記法のルールに使われている記号をそのままテキストとして表示したい場合に利用します。
\*このアスタリスクは強調にならない\*
なぜAIに適しているのか
マークダウン記法は、「ただのテキストなのに構造を表せる」ことが非常に優れています。
具体的には読み手にもAIにも「どこに何が書いてあるか」をはっきり示せる点です。見出し・箇条書き・強調・表・コードなどを記号を添えるだけで示せます。結果としてAIは意図を取り違えにくくなります。
例えば以下のようなプロンプトの書き方がおすすめで、AIの解釈が安定します。
## 目的
○○を小学生にも分かるように説明する。
## 条件
- 文字数は約400字
- 専門用語は使わない(使う場合は短く補足)
- 例え話を1つ入れる
## 出力形式(マークダウン形式で記述し、コピペしやすいようコードブロックに全て含めてください)
```
## 概要
文章
## 具体例
事例
## 詳しい解説
解説文
```
(マークダウンはChatGPTなどでも自動でビジュアライズされてしまう可能性が高いためコードブロックに含めてもらうように指示を入れています。)
こうするとAIは「目的・条件・出力形式」をそれぞれの箱として受け取りやすく抜けや順番ミスが起きにくいです。また、回答の形式は非常に守ってもらいやすく自分が欲しい形で返ってくる確率がかなり高くなります。
同じ型を繰り返し使えるのも利点です。プロンプトをテンプレート化すれば毎回の作業で「書き忘れ」「伝え漏れ」を減らせます。レビューや修正もしやすく、チームで共有してもルールをそろえやすくなります。
まとめ
マークダウンは「覚えるだけで効率化」できる実用的な記法でAIとの相性も抜群です。まずは見出し・リストの2点だけでも習慣化して、プロンプトやドキュメントをテンプレート化してみてください。作業スピードと再現性が目に見えて変わりますよ。
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